COLUMN

ーCOLUMNー 睡眠とインテリア

今話題の「睡眠負債」。様々なメディアで取り上げられてから、「睡眠」への関心が一層高まったのではないでしょうか。
わずかな睡眠不足が積み重なり、知らないうちに命に関わる病気のリスクが高まったり、仕事のパフォーマンスが大幅に低下・・・。
そんな「睡眠負債」と呼ばれる状態が、日本人の、特に働き盛りの人々に蔓延していて、経済的な損失に換算すると年間15兆円もの損失に及ぶ、とか。
この話を聞き、私は睡眠負債を解消するカギは、インテリア計画の中にもある、と強く確信しました。
日々の睡眠の質を上げ、蓄積した睡眠不足にならないためには、質の高い「睡眠環境」を整えることが必須。そうなると、おのずとより良い眠りのための寝室をつくることが求められます。
私は今年初旬、「眠れる家の妻」というモデルハウスをデザインし、主役となる特別な寝室をつくりました。まず、眠る前の光環境として、目に優しいとされるOLED(有機EL)照明を、間接照明、読書灯として造作家具に取り入れました。
OLED照明は、暗がりで見ても目に優しいため、夜間巡視のナースライトとして利用されている灯りです。さらに、その光を受ける内装材には、優しい色合いのボタニカルクロスを選び、相乗効果で空間に優しさの配慮を加えました。
照明は色も重要です。一般的に電球色と呼ばれるオレンジ色の灯りは、睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌が抑制されにくく、眠りの質が上がると言われています。
モデルハウスは、帰宅後の生活動線も考慮し、リビング&ダイニングなども含め電球色でまとめています。
睡眠の質を高めるために、インテリアの役割は大きいです。照明はもちろん、その光を受ける内装材の選択も重要です。
毎日の生活リズムを整えると同時に、眠りのための環境を見直すことで、より早い「睡眠負債返済」へとつなげることが出来る。
私はこれからも、より多くの方にその大切さをお伝えしたいと思っています。

(2017年8月1日号 室内装飾新聞 インテリアトレンド情報に掲載)

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