COLUMN

ーCOLUMNー これからのリフォーム

近年、リフォーム業界の可能性が色々取り上げられてきました。私自身も様々なジャンルの「リフォーム」に関わることでそれを実感しています。リフォームセミナーをはじめ、住宅、シェアハウス、クリニック、福祉施設など、ある程度年数が経過した空間に、新たな価値を生み出すためのリフォームへの提案が、今まさしく必要とされています。

リフォームプランを考える時、いつも考えることは二つ。

一つ目は「リフォームならではの価値をつくること」。住宅の場合、日々の動線や行動パターン、使い勝手に関するお悩み解消など、
新築時にはわからなかった希望を叶えるのが、リフォームならではのタイミングです。言うなれば、「かゆいところに手が届くようなリフォーム」。使い込んだ空間ならではの価値が、リフォームだからこそ生まれるように思います。

二つ目は、「この空間、この場所でしかできないデザインをつくること」。例えば、私はこれまで取れない柱や梁を、デザインにどう取り込み美しく、スッキリ見せるか、にこだわってきました。デメリットをメリットに変えるのがリフォームだと考えたからでした。その結果たどりついた答えは、「隠そうと思わず、逆に目立たせる!」ということ。
色やパターンのコーディネート力を駆使して、柱や梁がその空間にあって良かった、ないと物足りなくて困る、くらいの状態をつくり、邪魔だと感じていた存在をリフォームによって新たな魅力へと変えてしまうのです。今や、凸凹のある空間ほど、魅力的に見えるようになりました。

今、「働き方改革」で帰宅時間が早まり、住まいで過ごす時間が増える傾向に変化しています。これからは、今まで気づかなかった自宅の悩みを見つけたり、オフの時間をもっと充実させたい、というニーズが一層増えるのではないでしょうか。リフォームと言えば水回り、という概念を超え、体のケア、健康のためのリフォーム。例えば、睡眠を充実させるための「快眠リフォーム」。照明、色計画等により睡眠環境はきっと劇的に変わるはずです。また、リビングに“朝ヨガ”スペースをつくる「朝活リフォーム」。敢えてソファを置かず、低めのリラックスダイニングのみでスペースを確保すれば、今までのリビングが「朝活」の場として生まれ変わります。
ライフスタイル、時代に合わせたこれからのリフォーム。空間がもっと人に寄り添うために、自由な発想で進化して欲しいと思います。

(2017年11月1日号 室内装飾新聞 インテリアトレンド情報に掲載)

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